生成AIなどを活用して自動で音声を書き起こすサービスが注目されています。実際に使ったことがある方も多いのではないでしょうか。
自動書き起こしを活用することで作業時間や労力の削減につながる可能性がありますが、特にビジネスユースにおいては、手作業と比較した際のリスクやデメリットも知っておく必要があります。
本記事では、書き起こしとは何か、意味や類似の言葉との違い、書き起こしの種類と方法を解説します。
そもそも書き起こしとは
まず簡単に「書き起こし」とは何なのかご説明します。
「書き起こし」の主な意味は、発言などの音声を文字にしていくことです。「会議の内容を書き起こす」「インタビューの書き起こし」など、一般的によく用いられる表現です。
この他に、文章の「書きはじめ」「書き出し」という意味もあります。本記事では、音を文字にしていく「書き起こし」について解説していきます。
文字起こしやテープ起こしとの違い
音声を文字にする作業として、「文字起こし」や「テープ起こし」といった言葉もよく使われます。「書き起こし」との違いがわからないというお声も耳にします。
言い切ってしまうと、「書き起こし」「文字起こし」「テープ起こし」はすべて同じ意味と捉えて間違いありません。いずれも、音声・動画から音を確認し、文字にしていく作業を指します。
「紙の資料をパソコンで書き起こしてほしい」など、場合によっては音以外のものを対象とすることもありますが、音声が対象として使用されるケースが多いです。
書き起こしには大きく3種類ある
ここまで、書き起こしの概要を説明しました。次は書き起こしの種類について整理します。
書き起こしには、大きく分けて3つの種類があります。「素起こし」「ケバ取り」「整文」です。それぞれどういったものなのか解説します。
素起こし
音声の内容を一字一句正確に書き起こす方法です。「えー」「あのー」といった、内容に関係のない言葉、特に意味のない声も全て文字に起こします。そのため、文章を読んでも内容がつかめない可能性があります。一方で、一言一句文字に起こすため、実際の会議や取材の現場にいた人にとっては、当時の臨場感や流れを思い出しやすいという特徴があります。
ケバ取り
「えー」「あのー」などの特に意味のない言葉や、言い淀みのある箇所などを取り除いて書き起こす方法です。素起こしに比べると無意味な文字が少なくなり、内容が把握しやすい文章になります。ただ、話した通りの順序のままなので、そのまま読んだときに十分にわかりやすい文章とはいえません。
整文
無駄な音や言葉を取り除いたケバ取りの文章をさらに整え、わかりやすくする手法です。整文では、言葉の順序の入れ替え、語尾・文中の表現の統一なども行います。会話の中で何が話されているのか、説明されているのか、その内容を正しく理解する必要があり、文章を適時修正していくため、素起こしやケバ取りよりも時間がかかります。
用途やシチュエーションに合わせて選択するのがよいでしょう。
【流れで解説】書き起こしの方法
書き起こしはどのように行うのか、事前準備から流れにそって説明していきます。
【事前準備】
・書き起こしのテーマや内容について知識を仕入れる:例えば、インタビューの書き起こしであればインタビュー対象がどういった人か、どういった活動をしている人かを確認しておきます。話の流れが理解しやすくなり、効率良く作業できます。
・録音機器の準備や環境確認:書き起こしのクオリティは音質で決まるともいわれます。人力で作業する場合であっても、ツールを使用する場合であっても同様です。雑音が入らない環境か確認する、録音機器をどの辺りに配置するかあらかじめ決めておくといった工夫が重要になります。
・音声の録音:実際に音声を録音(あるいは動画の撮影)を行います。裁判書へ提出する証拠素材などの特殊なケースをのぞき、基本的には話者に録音・録画の許可を取ります。その際に明瞭に話してもらえるような工夫も重要です。例えば、「この録音データを元に記事を作成しますね」「後ほど書き起こして議事録にします」と声掛けをすることで、その場にいる人は「はっきりわかりやすく話そう」という意識を持ちやすくなります。
・書き起こし作業のスケジュールを共有する:いつまでに仕上げ、その後どのように共有し取り扱うのか、関係者としっかり確認しておきましょう。
【書き起こし作業】
・音声をもとに書き起こしを行う:主な方法として次の3つがあります。①全ての作業を自分で行う、②全てもしくは一部に自動書き起こしツール・アプリ・ソフトウェアを用いる、③専門業者などに外注する。一番作業負担の大きいと考えられるのは①です。②はうまくいけば効率化が図れますが、思ったように書き起こしされない、誤りが多く修正に時間がかかるというケースもあります。③の場合、よい外注先へ依頼できれば作業はほぼなくなり、確認程度で済みます。
・修正や確認作業:①〜③のいずれのケースであっても、一度書き起こしした文章をしっかり確認します。必要に応じて修正や整える作業を行います。自身の確認が十分に済んだ後、関係者と共有します。
こうして流れで見てみると、書き起こしには様々な作業とポイントがあることがわかります。自動書き起こしツールを用いても、この全てをうまくこなし、効率化できるわけではありません。普段「ツールを使って作業しているけれどもうまくいかない」という方は、ここで挙げたポイントのどこかが押さえられていないのかもしれません。
ぜひ、書き起こしの流れ全体と合わせて振り返ってみてください。
実はメリットが多い書き起こしの外注
先の「書き起こし作業」で説明した通り、よい外注先へ依頼できれば作業はほぼなくなり、確認程度で済みます。プロフェッショナルな作業者にお願いできれば、高い品質も期待できます。自動化ツールよりもコスト削減・効率化につながったというケースも多いのです。今の時代だからこそ、人の手による作業の良さが再注目されつつあります。
外注先を選ぶポイントとして、次のようなことがあります。
・実績や評判
・サービス内容
・予算や対応納期がマッチするか
・依頼したいジャンルに対応しているか
書き起こしを外注するということは、データの受け渡しを行うということです。信用できる業者を見極める必要があります。
まとめ
いかがでしたか? この記事では、書き起こしとは何か、意味や類似の言葉との違い、書き起こしの種類と方法について解説してきました。
新しいサービスが続々と登場する現代だからこそ、本来の書き起こしとはどういったものだったか、本当に効率的な方法は何か、改めて考えてみる必要があるのではないでしょうか。
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