ビジネスパーソン必見! 「話し言葉」を「書き言葉」に直す方法

2024.03.262024.03.25

ビジネスパーソン必見! 「話し言葉」を「書き言葉」に直す方法

普段、何気なく使い分けている「話し言葉」と「書き言葉」。

「会議や打ち合わせの議事録を作りたい」

「講演会の内容を要約したい」

「インタビューの内容を整理して、取引先に送りたい」

ふとした場面で「どう文章にまとめるべきだろう」と悩むことはないでしょうか?

この記事では、「話し言葉を書き言葉に直す方法」について解説します。具体例や注意点もご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。

話し言葉と書き言葉とは

まず、「話し言葉」と「書き言葉」とはそれぞれどういったものか、整理していきましょう。

話し言葉

会話をする際に用いるようなカジュアルな言葉のことです。「口語」とも呼ばれます。会話以外にも、エッセイやSNS、親しい間柄のメールのやりとりに使われることがあります。

書き言葉

主に文章を書くときに用いられる正確性の高い言葉・文章のことです。「文語」とも呼ばれます。公の文章や論文、新聞記事などに用いられます。

例えば、会議で「あの件は◯◯ですよね。ちゃんとしておいた方がいいんじゃないですかね。あの資料ってみんなで見れるんだっけ?」といった話し言葉が続いたとします。

それらを議事録として残す場合は、まず書き言葉に直し、要点のみに絞るのが得策と言えます。話し言葉には、「ら」抜き言葉など文法的に正確でないことが多く含まれるため、フォーマルな資料に向かないことに加え、情報として不要な箇所がありそのまま文字に起こしてしまうとボリュームが増えるからです。

具体的にどのように直すのか、次で説明します。

話し言葉を書き言葉に直す具体的な方法

文末表現を修正する

話し言葉の場合、「だよ・ね」といったフランクな表現や「です・ます」といった表現が多くなります。これらを、「だ・である」にすることで、意味がはっきりわかる文章になります。

「ら抜き言葉」や「い抜き言葉」を修正する

話し言葉でよくあるのが「見れる」「してる」といった「ら抜き」「い抜き」の表現です。「見られる」「している」のように修正します。

二重表現の修正

会話の中では「まずはじめに」や「内定が決まる」「決着が決まる」といった二重表現が発生することがあります。聞いている分には違和感がないこともありますが、文章にする際は修正しましょう。

敬語の修正・削除

話し言葉の中ではついつい敬語が多くなってしまう、また誤った敬語を用いてしまうということがあります。書き言葉にする際は正しい敬語を必要最低限使用するに留めるのがよいでしょう。また、口頭では「御社」、文章では「貴社」などのルールにも合わせましょう。

曖昧な表現の補足・修正

主語がはっきりせず誰の意見なのかわからない、答えがはっきりしないような表現は、内容に合わせて補足・修正するのがよいです。

不要な言葉・誤った言葉の修正

上記の他にも、不要な言葉(「えー」「あのー」といったケバ)や、誤用が含まれていることがあります。内容を確認しながら適時修正をします。

話し言葉を書き言葉に直す際の注意点

話し言葉を書き言葉に直す際の注意点

話し言葉を書き言葉に直したいときというのは、次のようなケースでしょう。

・フォーマルな文章にしたい

・正確性の高い文書にしたい

・わかりやすい文章にしたい

こういった背景に「他の人と共有できる文章にする必要がある」ということも多いと思います。

誰と共有する文章なのか、どういう扱いの文章なのかによって、求められる正確性は異なってきます。

先にも挙げましたが、エッセイやSNSなどであれば話し言葉の方が適している、ある程度残した方が伝わる文章になるということがあります。言葉の誤用や不要な部分は削除しつつも、カジュアルな表現のままにしておく方がよいこともあるのです。

一方、企業の報告書や企画書、論文などであれば、正確性は高い方がよいです。書き言葉に直されていない部分があれば、読み手に「文章が稚拙だ」と取られてしまう可能性もあります。

話し言葉・書き言葉は、文章の種類や性質によって使い分ける必要があります。

文字起こし整文とは

最後に、話し言葉を書き言葉に直す方法である、文字起こしの「整文」について説明します。

「文字起こし」とは、音声をテキストデータに書き起こす作業のことです。「テープ起こし」「書き起こし」と呼ばれることもあります。インタビューなどの取材音源、会議や打ち合わせ等の録音データなど、対象となる音声は様々です。

文字起こしには、「素起こし」「ケバ取り」「整文」の3つの種類があります。

素起こし

音源の内容を、一字一句正確に文字に起こす方法です。「えー」「あのー」など、特に意味のない言葉や、言い淀んだ声などの音も全て文字に起こします。特に意味のない音も文字に起こすため、文章を読んでも内容がつかめない可能性があります。一方で、一言一句文字に起こすため、実際の会議や取材の現場にいた人にとっては、当時の臨場感や流れを思い出しやすいという特徴があります。

ケバ取り

「えー」「あのー」などの特に意味のない言葉や、言い淀みのある箇所などを取り除いて文字起こしする方法です。素起こしと比較すると無意味な文字が少なくなり、内容が把握しやすい文章になります。ただ、話した通りの順序のままなので、そのまま読んでも十分にわかりやすい文章とはいえません。

整文

無駄な音や言葉を取り除いたケバ取りの文章をさらに整え、わかりやすくする手法です。整文では、言葉の順序の入れ替え、語尾・文中の表現の統一なども行います。音源で何が話されているのか、説明されているのか、その内容を正しく理解する必要があり、文章を適時修正していくため、素起こしやケバ取りよりも時間がかかります。

整文は、先の「話し言葉を書き言葉に直す具体的な方法」で紹介した作業を含むものです。文章をどのように仕上げたいか、どのくらいのボリュームに収めたいか、希望に合わせて読みやすく仕上げていきます。話し言葉を書き言葉に、上手に直すことは、上手に整文する作業といえます。

近年、文字起こしツールが続々と誕生し進化を遂げていますが、どうしてもミスが発生してしまう、話者の区別や専門的な単語の聞き取りができないことがあり、人の手間なしで作業完結とまではいきません。

整文は、音声を文字に起こすだけでなく、文章を希望のスタイルや字数にまとめていくものです。文字起こしツールはもちろん、人の手で行うにも難易度が高いものといえます。会社ごとのルールや、その時々の事情、テーマなどによってまとめる内容が変わるならなおさらです。

作業負担が大きい場合、文字起こしの専門業者への外注も検討するとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか? この記事では「話し言葉を書き言葉に直す方法」を解説しました。

注意点でも述べたように、話し言葉と書き言葉は、文章の性質や共有する相手によって使い分ける必要があります。どの程度に仕上げるか、判断が難しいときもあるでしょう。作業を怠ってしまうことで共有した相手に不快な印象を残してしまうことがあるので、慎重に進めたい作業です。

最後に触れた文字起こしの整文はかなり難易度の高い作業とされています。

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