様々な目的で実施されているインタビュー。質問者・聞き手を担うインタビュアーを経験した方・今後挑戦するという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インタビューの肝ともいえる質問の作り方、インタビューが失敗してしまう質問のパターン、インタビュー内容をテキスト化する流れについて解説します。
インタビューの流れ
インタビューの工程には、「事前の準備」「インタビュー当日に行うこと」「インタビュー終了後に行うこと」の三段階があります。それぞれを簡単に解説すると次のようになります。
事前準備:インタビューの目的の明確化、インタビュー対象の選定と調査、質問の内容・全体の構成の検討、インタビューに必要なもの・人の手配、など。
インタビュー当日に行うこと:挨拶・自己紹介などでアイスブレイク、インタビューの趣旨の説明、録音や撮影の許可取り、インタビューの実施、インタビューのお礼と今後の流れの説明、など。
インタビュー終了後に行うこと:インタビュー音源の文字起こし、記事原稿作成などコンテンツ化作業、校正、関係者との最終確認
当日だけがインタビューの本質ではありません。事前準備から内容の最終チェックまで、一連の流れを意識して、それぞれ入念に取り組む必要があります。
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インタビューの質問の作り方を手順ごとに確認
インタビューの質問は、事前に作っておくことをおすすめします。インタビュー当日の状況や雰囲気に合わせることも大切ですが、行き当たりばったりの質問では「まとまりがない」「重要なことが聞けていない」という事態にもなりかねません。
質問を作成する前に次の2点にも取り組んでください。
①インタビューの目的を明確にする:インタビューを通して何を知りたいのか、その情報を誰に伝えていきたいのか明確にしていきます。これはインタビュイー(インタビュー対象)の選定にも関わります。
②インタビュー対象を調査する:①で明確にしたインタビューの目的に合うインタビュー対象を選定します。アポイントメントを取って終わりではなく、対象者・組織の現在と過去を念入りに調べておきます。専門的な話題が想定される場合は、用語や業界知識を確認しておくとよいでしょう。
①②で整理した情報をもとに、質問したいことやインタビュー全体のバランスを検討していきます。
もし、インタビュー内容を記事化するのであれば、まず記事の構成を考えていくのがよいでしょう。全体像を整理した上で、記事でまとめたい内容に関する質問を考えられるからです。反対に、先に質問内容から考え始めてしまうことで、トピックごとに質問の量が偏ったり、内容が重複してしまったりすることがあります。
構成など全体から考え、何をどの程度掘り下げるか、具体的にどう質問すれば答えが得られるかといったように、段階を下げていくとよいでしょう。
「構成と合わないかもしれないけれど聞いてみたい」ということも大事にしてください。②インタビュー対象の調査から生まれた疑問・興味関心である場合があります。当日投げかけてみたら思いがけず面白い話が聞けたということもあります。自分の単純な好奇心も大切に、メモに残すなどして取っておくとよいでしょう。
質問が作成できたら、事前にインタビュイーと共有しておくことをおすすめします。インタビュアー・インタビュイーそれぞれが、インタビュー前に話や考えを整理することができるからです。当日の流れも想像でき安心して臨めます。また、事情があって答えられない質問などを確認できます。
インタビューを成功させるための質問の作り方
質問の作り方の手順は説明した通り。多くの方が気になるのは良い質問の作り方でしょう。
まずは、質問には「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」の2つの種類があることを念頭に置きましょう。
「オープンクエスチョン」とは、相手が自由に回答できる質問のことです。例えば「◯◯についてはどのように考えていますか?」といった質問です。自由に回答できるので話が広がりやすい性質があります。一方で、回答がうまくまとまらない、質問者の意図が伝わらないといったことも起こり得ます。
「クローズドクエスチョン」は、相手の回答を制限した質問のことです。例えば「はい/いいえ」で回答できる質問などです。回答に選択肢があるので答えやすい、はっきりとした答えを得やすい性質があります。一方で、会話が広がらない、多用すると威圧的な印象に受け取られるという可能性があります。
質問したいことによって、それぞれをうまく使い分けるとインタビューが成功しやすくなります。例えば、アイスブレイクやインタビューが始まってすぐは「クローズドクエスチョン」を多く用いながらコミュニケーションをスムーズに盛り上げていき、インタビューが盛り上がってくる中盤以降は「オープンクエスチョン」で相手の考えを深く探っていくといった方法があります。
加えて考えたいのは、相手が答えやすい順番を意識した質問作りです。例えば、過去・現在・未来と時系列にそった質問になっていれば、相手も思い出しながら回答しやすくなるでしょう(まとめやすい、現在から質問するという手法もあります)。また、回答の難易度も軽め~高めと順序をつけることで、簡単な内容は最初の盛り上げに、難しい内容は会話が乗ってきた頃に入れることでスムーズにすることができます。
このようなポイントを意識し事前に質問を作成しますが、あくまでインタビューのマイルストーンとして捉え、固めすぎないことをおすすめします。実際のインタビューは良くも悪くも想定通りにいかない可能性があります。その時々の状況・雰囲気を大事にしましょう。
インタビューが失敗してしまう質問とは
インタビューのスタンスは「あなたのことが知りたい」「あなたの話が聞きたい」です。これをしっかり意識すること、そしてインタビューを通して相手に伝えることが大事になってきます。
この点は質問内容にも大きく関係します。失敗につながる質問として、次のようなものがあります。
・どう答えても相手のマイナスイメージにつながるなど、答えづらい質問:「なぜあんなことをしたのですか?」「◯◯の悪い点はなんですか?」など、明らかに相手に悪い印象を与える質問は避けましょう。「この質問から何を得たいのか」「こちらが不利益を被るようなインタビューにするつもりでは?」など、信頼も失いかねません。
・誘導質問:「こういう答えがほしい」が表れてしまっている質問は極力避けるべきです。インタビュー対象者の調査を念入りに行ったがゆえに「きっとこう答えてくれる/答えてほしい」と考え、誘導してしまうケースは意外と多いです。相手に不快な印象を与えたり、誘導された通りに答える必要があるのかと思わせてしまうことがあります。
・聞きたいことがまとまっていない質問:1つの質問の中に複数の内容が含まれていて何を答えてほしいかわからない、質問なのか感想・雑談なのかはっきりしないということがあります。相手の答えやすさを意識したシンプルな質問を作りましょう。
・質問ではなく情報の列挙になっている:インタビュー対象について調べたことを列挙しているだけで質問が含まれていないというケースもあります。事前の調査でわかっていることであっても、実際に当人から話しを聞いてみると、リアリティのある話が面白い話が聞けるかもしれません。インタビューは情報を得る機会であることを忘れないようにしましょう。
インタビュー内容をテキスト化する流れ
インタビューが終わったら、まずはその内容をテキスト化・文字起こししていきます。インタビューの内容を読んでわかるようにするためです。
読めない状態、つまり、文字起こしなしの状態のままだと次のようなことが生じるからです。
・原稿作成を行う際に、インタビュー内容と齟齬が生じる
・重要な内容が抜けてしまう可能性がある
・話者が選んだ言葉、話し方や雰囲気が反映されなくなる可能性がある
・内容確認に手間がかかる
・他者と共有した際、確認してもらうのに時間がかかる
具体的な流れとしては、必要に応じて事前準備(インタビュー内容の整理・知識整理など)をする、録音・録画データを準備する、用途に応じた最適な仕上げ方(素起こし・ケバ取り・整文)で文字起こしするという流れになります。
文字起こしの仕上げ方の種類や音源の質、文字数などにもよりますが、慣れている方がスムーズに作業した場合、1時間の音源で約3〜4時間かかるといわれています。場合によってはそれ以上、10時間以上かかってしまうこともあります。文字起こしツールの活用も可能ですが正確ではないため人の手によるチェックは不可欠です。
以上のように、インタビューのテキスト化は時間と労力の要る作業ですので、専門業者へ外注して作業負担をゼロにしてしまうという選択もあります。
まとめ
いかがでしたか? この記事ではインタビューの質問の作り方を解説してきました。
良い質問はインタビューの成功に直結します。また、インタビュアーを担う場合、しっかりと質問が準備できていると自信を持って臨めるはずです。
せっかくうまくいったインタビューならば、その後の工程もスムーズに運びたいところ。
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