ケバ取りとは? 他の文字起こしとの違いや方法を解説

2024.03.072024.03.07

会議や打ち合わせの議事録作成や、インタビュー記事の作成などで必要となるのが「文字起こし」の作業です。

文字起こしは、音声をテキストデータに書き起こす作業のことで、対象となる音声には、インタビューなどの取材音源、会議や打ち合わせ等の録音データなどがあります。

書き起こすと言っても、そのやり方にはいくつか種類があります。加えて、どういった文字起こしが求められているのかによって、判断が必要となる部分も出てきます。音声をそのまま文字に起こすだけでないのです。

この記事では、文字起こしの1つ方法である「ケバ取り」について解説します。そもそもケバ取りとは何か、その方法や他の仕上げ方との違い、ケバ取りが難しいとされるポイントをご紹介します。

ケバ取りとは

録音した音声の中には、意味のない言葉やひとり言などが混じっているものです。これらの不要な言葉を「ケバ」と呼びます。

例えば、「えー」「あのー」といった言い淀み、「はい、はい」といった相槌の言葉などがあります。

こういった言葉は、直接耳にするときはあまり気にならないことが多いですが、文字にして文章に組み込んでみると、かなり読みづらく、違和感のあるものになります。

「ケバ取り」は、このような文章に不要な箇所を取り除いて文字起こしする方法です。

音声を一字一句そのまま文字に起こす「素起こし」(後ほど説明します)と比較すると、無意味な文字が少なくなり、テキストを読んだ時に内容が把握しやすい文章になります。言葉や発言の順序には修正を加えません。

近年登場している文字起こしツールなどは、音声を一字一句テキストにするものがほとんどで、ケバ取りには対応していないことが多いです。ケバ取りは人の技術が必要な作業となります。

ケバ取りの方法

ケバ取りの対象となるのは、次のようなものです。

・言い淀み:「えー」「あのー」「まあ」など。

・相槌:「はい、はい」「へえ」「なるほど」など。

・ひとり言:「いいんだっけ?」といった自分自身への問いかけ、「うんうん、そうだよな」などの納得の言葉。

・笑い声:その場にいる人の笑い声、話者の発言に対して別の人が笑う声。

・言い間違い:話者が言い直している場合、その前の言い間違いはわざわざ起こさない。また噛んでしまった箇所など。

・語尾:「◯◯だからあ」「◯◯なのでえ」など、不要な伸ばし語尾など。

ケバ取りでは、これらの箇所を削除・修正して仕上げていきますが、必ずしもすべてのケバを削除せず、あえて残す場合もあります。これはケバ取りをする上で、重要なポイントとなります。

例えば、インタビューや対談、ディスカッション形式の会話の場合、ケバをある程度残した方が、場の雰囲気が伝わりやすいことがあるのです。

「内容がわかればよいので、ケバ取りで仕上げてください」と依頼されている場合は、基本的には上記のような箇所は削除してよいと思います。もし、依頼者に、「場の雰囲気も残してほしい」という要望があるのであれば、どの程度ケバを削除するか、そもそも仕上げはケバ取りでよいのかなど、確認する必要があります。

その他の仕上げ方について、次の項目で解説しますので参考にしてください。

ケバ取り以外の文字起こしの方法

ここで、ケバ取り以外の文字起こしの方法も確認しておきましょう。

文字起こしは、元の音声に手を加えない順に並べると、「素起こし」「ケバ取り」「整文」となります。

素起こしと整文の内容は以下です。

素起こしの説明と方法

音源の内容を、一字一句正確に文字に起こす方法です。「えー」「あのー」など、特に意味のない言葉や、言い淀んだ声などの音も全て文字に起こします。特に意味のない音も文字に起こすため、文章を読んでも内容がつかめない可能性があります。一方で、一言一句文字に起こすため、実際の会議や取材の現場にいた人にとっては、当時の臨場感や流れを思い出しやすいという特徴があります。

整文の説明と方法

無駄な音や言葉を取り除いたケバ取りの文章をさらに整え、わかりやすくする手法です。整文では、言葉の順序の入れ替え、語尾・文中の表現の統一なども行います。音源で何が話されているのか、説明されているのか、その内容を正しく理解する必要があり、文章を適時修正していくため、素起こしやケバ取りよりも時間がかかります。

先に述べた通り、どういった文字起こしが望まれているかによって、仕上げ方を確認するとよいでしょう。

文字起こしを外注するメリットとは

ケバ取りに限らず、文字起こしには人の技術が必要です。どのように、どの程度作業するのか、判断が必要になります。これまでの経験や依頼者とのコミュニケーションが必須です。

ご自身だけでは難しいと感じるときは、専門業者への外注も検討してみてください。

外注することで次のようなメリットが期待できます。

・効率化を図ることができる

・人件費が削減できる

・高品質になる

注意したいのは、これらはプロフェッショナルな方に依頼した場合のメリットです。外注先によっては、次のようなデメリットが発生してしまうこともあります。

・情報漏洩

・品質が保たれない

・契約不履行

文字起こし作業を外注する場合、データを第三者へ渡す必要があります。そのため、情報漏洩が起きないとは言い切れません。重要なデータは自社で文字起こしを行う、事前に外注先と守秘義務契約を結ぶなど、対策を講じる必要があります。

また、専門業者に依頼するのであれば高い品質を期待できますが、個人である場合は技量を図り切れず、成果物の品質が期待と異なるというケースもあります。

さらに、クラウドソーシングなどを経由して個人の方と契約する場合もあるでしょう。業務委託契約書を結ばず、口頭やメッセージのみでやりとりしてしまい、突然音信不通になってしまったというケースもあるようです。

いずれにせよ、依頼する前に信頼に値する相手かどうかしっかりと見極める必要があります。

もちろん、個人の方でも技術が高く、信頼できるプロフェッショナルはたくさんいらっしゃいます。一方で、「いい人を見つけるのが大変」というお声も耳にしますので、その場合はまず、実績のある専門業者を頼ることがおすすめです。

また、文字起こしを専門的に学んでみたい、文字起こしの仕事をしてみたいという方も、人気の会社をチェックしてみるのはいかがでしょうか?

まとめ

いかがでしたか? 本記事では、ケバ取りについてとその方法、その他の文字起こしとの違いなどについて解説しました。

近年、文字起こしツールも続々登場し、作業を補助してくれる役割を担っていますが、特にケバ取りの場合、人間の技術がどうしても必要になります。また、「上手にケバ取りするのはどうしたらいいの?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。

ケバ取りをはじめとした文字起こしの技術・ノウハウは、個人ではなかなか会得しづらい場合もあると思います。文字起こしは時間も要する作業ですので、他の業務と並行して担う場合、大きな負担になります。

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プロフェッショナルによる確かな品質を期待する方は、利用してみてはいかがでしょうか?